以前雑誌の付録CD-ROMのプログラムを書くことになり、その打ち合わせで某出版社へ行ったことがある。
担当は女性編集者で打ち合わせの時に持って来たのは携帯とPDAと資料だった。
「お、PDAだ」
と心で思う。単純にカッコよかった。当時の携帯電話は通話しかできなかったように思う。
あまりにもさりげなくPDAを使いこなす彼女を想像するとPDAとは何か?と疑問と興味がわいた。
ちなみにこの打ち合わせではPDAは使われなかった・・・。
「あのPDAはなんだろう?」
当時かろうじて知っていたのはDOSのPDA、HPLXしかしらなかった。
これは某ゲーム会社のディレクターが使用していたが、今更DOSなんてと思いあまり興味はなかった。(後から興味が出たがすでに時代は進歩していた)
とにかく手のひらで使えるPDAに興味を持ち、いざ本屋へ。
(この頃はアナログモデムの時代なのでネット検索はしなかった)
そこで1冊の本を発見。あの女性編集者が持っていたものと同じだ。
名前は”PalmIII”、3Com社のPDAだ。
そのPalm本を一通りの知識を得て、PalmIIIが何なのかがわかった。
主な機能はスケジュール、メモ、TODO、アドレス帳だ。
しかもそのデータはPCを共有できる!
特筆は電池の持ちだ。単4電池2本で約2週間は動く。
さらにCPUはモトローラの68000系CPUが採用されている。
さらにさらに開発環境が比較的安価で手に入るので自分でプログラムが書ける。
(GCCを使えばタダだ。)
「これは素晴らしい買わなくては」
欲しい病が出るともう我慢できないので早速秋葉のイケショップに行った。
当時のイケショップは万世橋警察署の対面近くのビルにあった。
薄暗くてマニアックな店だったな。
早速購入した。
しばらくはスタイラス(Palm付属のペン)を使用して、グラフィティを練習した。
このグラフィティ、英数字や記号を一筆書きで入力エリアに書くとその英数字や記号が入力される。
「これは素晴らしい」
まさに紙にメモをとるのに近い。
が、、、
これが日本語となるとかなり手間がかかる。
ローマ字入力して、漢字変換するが辞書が今ひとつなので効率が悪い。
結局はPCでアドレスや予定を入力して、Palmに転送して閲覧する使い方が主になった。
Palmがアメリカで売れたのがよくわかる。Palmはアルファベット圏の機械だ。
2台目のPalm機に続く。
写真はもう出番の無い、PalmIII。